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2010年はいくつかのアペラシオンでは偉大なワインが出来た2005年と似たようなヴィンテージになりました。グラーヴ地区では生育サイクルのスタートは偉大なスケールを持ったヴィンテージを予見させ、実際にそうなっています。既に厳しい冬まっただ中のフランスの南西地方をサイクロン・シンシアが襲ったにも関わらず、生育サイクルは一部遅れが見られた事を除いては例年通り4月
に始まりました。特定のメルロー種、とりわけ古樹でこの暑さと湿潤な気候から開花は苦しめられます。夏は乾燥していましたが古典的で、日照量豊富な日中と涼しい夜間というブドウの成熟に最適な環境を記録。しかし最も成熟に貢献したのは9月9日に記録した大雨で、これによって成熟は統一されました。
2010年のグラーヴ地区のワインは偉大な持続性があります。
メドック地区の冬も同様に寒く乾燥した気候を記録したことから発芽に遅れが発生します。春の気候は不規則でグラーヴ地区のメルロー種で花振るいが見られたように均一な開花は見られませんでしたが、グラン・クリュの偉大なテロワールではカベルネ・ソーヴィニヨンは非の打ち所のない開花が行われました。
2010年の夏の乾燥は2009年をほんの少し下回るボルドーらしいバランスの良い水分ストレスを受けており、ブドウの美しい成熟が行われます。その後も猛暑とまではいかないものの暖かく日照量の豊富な日中と涼しい夜間を繰り返した事からブドウの成熟の最終段階は素晴らしいものになりました。
収穫は9月20日あたりから始まり、2010年のメドック地区は2005年、2009年を確かに下回るかもしれませんが偉大なヴィンテージと言う事に代わりはありません。
右岸のポムロル地区を見ていくと、メルロー種は花振るいと結実不良に苦しめられます。その為、このアペラシオンでは結果は均一ではありません。しかしこの地区の偉大なトップ・シャトーはボルドーの偉大なヴィンテージと言われる素晴らしいワインを造り出しています。
サン・テミリオン地区の冬は寒さが長引き、霜を観測。春は例年通りの天候でしたが生育サイクルのスタートは遅れ緩やかでした。メルロー種は花振るいに苦しめられた一方カベルネ・フランは非の打ち所のないものに。その後はとりわけ乾燥した夏の影響を受けてブドウは完璧な成熟を迎えます。
2010年はリブルネ地区の偉大なヴィンテージの1つに数えられます。