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2011年のボルドー地方は予測不可能な天候の影響を受けて難しいヴィンテージになりましたが、それでも多くのドメーヌはこの窮地をうまく乗り切り2011年ヴィンテージを非常に良いヴィンテージに変えます。
グラーヴ地区はボルドー地方全体同様、冬と春はとりわけ乾燥しており、春は3月から6月まで例年だと300mmを記録する降水量が80mmと非常に少なくここ50年で最も暑く乾燥したシーズンになりました。
この乾燥した気候と暑さから生育サイクルは非常に早期化し、開花、ヌエゾンは5月15日から始まるなど3週間も早まっています。
この暑さの影響は止まる事なく、6月26日、27日の2日はとりわけ暑かったことからブドウは火傷を起こします。しかし夏になると古典的なボルドーらしい涼しく雨のシーズンになり、これによってブドウの生育サイクルはバランスを取り戻すことが出来ました。
生産者達はブドウの成熟の最終段階、間引きを行う事によって健康なブドウが収穫されています。そのため2011年のグラーヴ地区のワインは非常に良い品質で成功を収めました。
メドック地区の生育サイクルも夏のような春の影響を受けて非常に早まります。ブドウは6月26日、27日にカベルネ・ソーヴィニヨンの区画を襲ったことに見られる暑さによって非常に苦しめられましたが、幸いな事に夏は雨と暑さのバランスが良くブドウを最適な成熟に導きます。
この年の収量は減少しており、特にシャトー・マルゴーなどの特定のドメーヌでは収量は29hl/haを記録しました。
サン・テミリオン地区も暑く乾燥した奇妙な春という同じような状況でした。6月26日、27日には37.8℃とピークを迎え、他のボルドーの地域同様ブドウは火傷を起こします。この年メルローは火傷を負い、更には9月に降った雨の所為で希薄化した為カベルネ・フランの年でしたが、最終的に2005、2009、2010年には当然及ばないながらも良いヴィンテージとなりました。
このようなメルロー種が困難なヴィンテージからポムロル地区は壊滅的だと予想できますが、2011年のポムロル地区のワインは、確かに力強さはないもののフィネスが溢れており、非常に良いワインが出来ています。
ポムロル地区のワインは一般的な2011年のボルドー地方のワイン同様選別が必要になりますが、我々の厳しい要求と味覚を満足させてくれるものが間違いなく存在しています。