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2010年は生育サイクルのスタートから傑出した気候条件だった事も手伝って優れた、完璧なヴィンテージだと予測されていましたが、残念ながらブドウは成熟を迎える段階、凶悪な気候によって一年が台無しにされました。
生産者たちは母なる自然の強大の力の前に何も出来ません。
2009年の秋は極度の寒さに襲われたのは4日だけで、気温の下落もゆっくりと進む(10月平均11℃、11月平均9℃、12月平均3℃)、理想的な環境でブドウは静かに冬休みに入ります。12月の終わりから1月に掛けては雪の季節となり、1月の平均気温は0℃と非常に寒い月になりましたが、1月以降は3月にかけて緩やかに気温は上昇。
4月は降雨もなく平均気温17℃といった穏やかな天候で、ブドウの生育サイクルは早まります。この時までは良すぎるといって良い程非常に優れた環境でしたが、6月が始まった時から一部のドメーヌを除いて少しずつ脱線していきます。
実際、6月頭には開花が素晴らしいスタートを切った一方で夜の気温は非常に低下し日中も涼しさが感じられたことから開花は遅延、結実不良や場所によっては花振るいの原因ともなりました。黒ブドウ品種(ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ)では6月20日に開花が終わっています。
この2010年の開花は例外的な5日の遅れが生じており、ブドウの成熟は更なる遅れが生じました。
7月の終わりには非常に強い熱波の影響で暴力的な嵐が発生したことによりベト病の圧力は非常に強く、また残念な事にこの嵐と大量の降雨は8月、とりわけ15日から成熟を追求するブドウを妨げます。
水分を吸収しすぎたブドウは非常に暑かった影響を受け、糖が高くフェノール類の成熟は果たせませんでした。
それに加えて未だ灰色カビ病の圧力は残っており、多くのブドウ畑に損害を与えた為、収穫の際に非常に厳密な選果が必要になります。
この時以降生産者たちは奇跡でも起きない限り成熟を迎えるのは難しく、つまり非常に困難なヴィンテージになるであろう事は分かっていました。
収穫時の9月は非常に穏やかな天候だったにもかかわらず、特定の村を除いて灰色カビ病はブドウ畑に損害を与えます。
畑での選果に、選果台での選果と非常に莫大な収穫作業が行われましたが、このような高水準な作業を行っても高級シャンパーニュを造る事は出来ませんでした。
この年いくつかのメゾンではヴィンテージ・シャンパーニュを生産していません。