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2010年の南西地方は乾燥し、夏は暑くコントロールの難しいヴィンテージとなりました。南西地方の中でも出来にばらつきがある年になったため、容易に2009年を上回ったか下回ったかを論じる事の出来ないヴィンテージです。
全ての色、カテゴリーで美しい成功を収めたワインがあり、そして全てのブドウ畑で成功を収めた年と言っても購入する際に必ず生産者を選択する必要があるヴィンテージでもあります。
2010年のベルジュラック地区から見ていきましょう。冬は寒く、降水量は200mmを記録する湿潤な気候。続く春は3月から4月(最高平均気温20℃)にかけて急速に気温が上昇し、5月には急に気温が下降する不安定な天候の影響を受けて、花振るいや結実不良が起こります。
このような天候から夏から成熟の最終段階でブドウの粒は小さく果皮が厚いものになりました。夏は実際に灼熱で非常に乾燥していた為ブドウは水分ストレスから身を守る為に果皮の厚みが増してしまいます。
この結果直ぐに収量が減少することがわかり、収穫までにフェノール類のバランスの良い成熟を手に入れるのが難しくなることが判明しました。
確かに全てのブドウで酸とアルコール度数のバランスがうまく取れる事はなく、アルコール度数が高すぎることが多く時には酸が低すぎるものもありました。
そのため選果は必須となり、この年で成功を収めたのは細心の注意を払って畑仕事を行った生産者のワインです。そういった生産者の赤ワインは熟成させる価値の有るワインに、辛口、甘口白ワインもとても美しい仕上がりになりました。
カオール地区でもベルジュラック地区同様生産が難しいヴィンテージになりました。この地区では収量の大幅な減少が記録されており、過去5年間に比べてマイナス35%の110000hlしか生産されていません。
不安定な春から花振るいや結実不良が見られた事に加えて灼熱の夏を経験した事から収量が激減。しかし品質は約束されており、カオールではとても美しいワインが生産されました。
マディランも他の地域同様とりわけ暑かった夏のせいでブドウが焼けるなど難しいヴィンテージとなり、収穫の際に収量が減少しています。