2000 2001 2002 2003 2004
2005 2006 2007 2008 2009
2010 2011 2012 2013


ブルゴーニュ地方 (2004)

2004年のブルゴーニュは一言で言うならば驚きのヴィンテージと言えるでしょう。2004年ヴィンテージは2003年というブドウの収量が低かった年の損失を取り戻そうとブドウは大量の実をつけ始めました。この現象はブルゴーニュだけでなくボルドーでも観察されています。 この対策として4月から5月に掛けて生産者たちは芽かきやグリーンハーベストを行う事でブドウの希釈化を防ごうとします。 8月の終わりには生産者たちは雹や冷気がブドウ畑を襲い、ブドウの成熟を妨げてしまったことから最悪の事態を危惧していましたが、9月頭から気温が戻ったことによりブドウの成熟に最適な環境に戻りました。収穫は9月29日より開始されています。

コート・ド・ニュイ地区でも同様に多数の房がつき、4月から5月にかけて生産者たちによって芽かきが行われました。 気候としては2月初頭から3月まで霜がおり乾燥、4月には暖かく快適な気候に変わります。4月初頭、順調に発芽が始まって順調に進むかと思われましたが、コート・ド・ニュイ地区はウドンコ病に苦しめられます。夏は冷夏で、雨が多く湿度の高いブドウの生育に向かない季節となってしまいました。 7月終わりにはグリーンハーベストを行う事で凝縮感を出そうと試みた生産者も複数見かけられます。しかし、8月半ばにはウドンコ病に続き、ベト病と灰色カビが蔓延し、更には8月末に雹が降ったことでブドウ畑に甚大な被害を及ぼします。 当然ながら収穫の際にブドウの選別を強いられましたが、9月頭から収穫時期までの天候は穏やかで、選別されたブドウは成熟を迎えた健全な状態で収穫されました。2004年のコート・ド・ニュイは繊細かつ古典的なブルゴーニュとなり、最終的には良いヴィンテージと言えます。

コート・ド・ボーヌ地区も他のブルゴーニュ地区同様の気候条件でした。寒く雨がちな秋に続いて、1月末まで寒く乾燥し、降雪の多い季節となります。発芽は4月頭から順調に始まり、4月半ばから5月に掛けて20〜25℃を記録するなど急激に気温が上がり温暖な月となりました。 その後も6月第一週には開花が始まるなど傑出した季節となりましたが、それとは打って変わって他のブルゴーニュ地方同様に雨が多く、嵐の被害が出るなど寒い季節に。 8月も通常よりも遥かに寒く、雨の多い季節が続いたのに加え、24日、25日の夜にはコート・ド・ボーヌの南側では雹が降った事からブドウ畑に被害が及びました。 9月には晴天に恵まれ、温暖な気候に戻ったおかげでブドウは無事に成熟を迎える事が出来、収穫時に厳格に選別を行った生産者のワインは上質なものが出来ています。加えて白ワインに関しては場所によっては最高品質のワインが造られるなど悪条件が重なりながらもサプライズのあるヴィンテージとなりました。

[参照元: www.vin-vigne.com]