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2010年は2006、2007、2008年を思い起こさせるような年で、実際2010年は最終的に偉大なヴィンテージになるまでにかつて無い程の災害に見舞われます。この年のブルゴーニュの冬はマイナス20℃を記録する程、恐ろしい季節になりました。
その1つに多くのブドウの樹、とりわけヴァイヨンの区画は霜が下りた事によってダメージを負ったことがあげられます。春は涼しくも快晴といった素晴らしいコンディションの中発芽が始まりましたが、シャブリ地区の5月、6月は開花が難しく、花震いや結実不良が至る所で見られました。
7月は暑く、安定した気候でスタートしましたが長くは続かず、乾燥しすぎた所為で土壌の水分が不足してしまいます。その後、この温暖な気候は8月中頃まで続きますが適度な降雨のおかげで土壌の水分は回復し、ブドウは生育サイクルを再開し成熟に向かいます。
2010年は昨年に比べてボリューム感には掛けますが高い凝縮感をもったワインが出来上がりました。
2010年のコート・ド・ニュイ地区の天候もまた難しい年になりました。春は雨を伴った偏西風が記録されており、この寒さと雨から花震いや結実不良が起こるなど開花に影響を与えます。
この時点で生産者たちは、2010年は最悪の年になるのではないかと懸念しました。7月は暖かく快晴の日が続きますが、湿度が高いせいでブドウの病害が多くもたらされました。
8月は寒い日、暑い日、湿度の高い日が交互に来るなどあまり恵まれておらず、9月も雹が降るなどの被害が出ます。収穫は9月20日頃からスタートしましたが、収穫中に雨が降るなどコンディションが悪い中行われました。
この年は選果が必須になった、雹でダメージを受けた事から収量が極端に低く生産者たちは苦労しましたが、酸、ミネラル、果実味のバランスの取れたハイレベルな赤ワインが出来上がった素晴らしいヴィンテージです。
コート・ド・ボーヌ地区の2010年もおおよそコート・ド・ニュイ地区と同じような環境でした。天候は変わりやすく不安定で、2月は雪と雨が多いシーズンになります。
春は例年より気温が高く3月の終わりから4月の頭にかけて始まり、6月も後半から気温が下がるなど複雑な季節に。6月26日にはヴォルネイ、ムルソー、ポマール、サントネイ村を中心にコート・ド・ボーヌにダメージを与えました。
夏に入っても雨が多くウドンコ病、ベト病、灰色カビ病が発生した、8月に入っても涼しい日が多いなど厳しい状況は変わりません。この天候は9月頭まで続き安定しませんでしたが、時々訪れる晴れ間の間を使ってブドウは成熟を無事迎えます。
収穫は9月末に行われ、生き残ったブドウからは赤白ともに素晴らしいワインが造られました。