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2008年のブルゴーニュは難しいヴィンテージと言えるでしょう。気まぐれな天候はまたも生産者たちの頭を悩ませます。寒くて雨の多い秋から悪天候が続き、花震いや結実不良を引き起こす悲惨な生育サイクルのスタートとなりました。
春も寒く湿度の高い日が続くなど不安定な気候で、病害が起こる可能性が高かったため、生産者たちはみな最悪の事態を想定していました。夏は8月の終わりまで曇りがちで晴れ間が殆どなく雨が多い、時には嵐が起こるような悲惨なシーズンとなります。
しかし幸いな事に9月に入ると日中は日差しが強く温暖で、夜になると涼しく乾燥した北風が吹くなどブドウにとって良い環境に変わりました。収穫は9月25日に開始されましたが、収穫の最中にも雹が降ったせいで傷ついたブドウや灰色カビ病にかかったブドウを取り除く選果が必須に。
2008年ヴィンテージ、ブドウ及び生産者たちは苦しめられますが、出来上がったブドウはピュアで質が高く決して無駄な努力ではありませんでした。この寒く、難しかったヴィンテージはブルゴーニュらしいテロワールを表現してくれます。その為、2008年はシャブリの素晴らしい年と言えるでしょう。
コート・ド・ニュイの冬、特に2、3月はとても厳しい季節になりました。この厳しい寒さはブドウの発芽を例年より大幅に遅らせます。春も他のブルゴーニュ地区よりも厳しく、寒さと湿気、そして雨を伴った偏西風によって壊滅的な被害を受けました。
発芽の大幅な遅れが生じたコート・ド・ニュイのブドウですが、発芽だけでなく開花も例年よりも大きく遅れます。また夏になっても偏西風とともに雨が降り続け、結果として8月にはベト病、ウドンコ病、灰色カビ病が蔓延しました。
この悪天候は9月半ばまで続きましたが、幸いな事にそれ以降は雨を引き連れた偏西風は乾燥した北風に、雨はブドウが光合成をする為に十分な程の晴天になるなど急激に天候が変わります。
収穫は9月の最終週から10月の第1週までに厳密なまでの選果を伴って行われ、健全かつ最良の成熟を迎えたブドウが収穫されました。2008年は畑仕事、選果に拘った生産者にとってはとても良いヴィンテージになったと言えます。
コート・ド・ボーヌも雨の多い秋に雹が降る冬、寒く湿度の高い春を経験します。開花は6月に始まり10日間程で無事終わりましたが、夏の天候は酷く中旬頃から曇り空に変わり、26日からは雹を伴った嵐がブドウ畑を襲いました。
9月15日までこの悪天候は続きますがそれ以降は晴天に変わり、無事にブドウは成熟します。収量は低かったですが災害から生き残った白ブドウからはとても良い出来のワインが出来ました。しかしながら赤の方が評価が高く、赤に比べると2008年ヴィンテージの白ワインは若干ながら劣ると言われています。