ジュラ地方はスイスとの国境に隣接しているフランス東部に位置する山間のワイン産地です。手つかずの自然が残っており、周囲から隔離された秘境といったイメージがあります。コンテやモン・ドールなどのチーズや鶏肉のヴァン・ジョーヌ煮込みといった郷土料理が有名です。ワイン産地としては小さく、フランス国内で消費される事が多いワインでしたが、最近で は自然派ワインの台頭から日本での知名度も上がるなどジュラワインを見かける事も多くなりました。
周囲から隔離されている為か、ジュラでは伝統的なワインが未だ造られており、ジュラワインの代名詞とも言えるヴァン・ジョーヌ(黄色ワイン)やヴァン・ド・パイユなどの独自性を 持ったワインが多数存在します。ヴァン・ジョーヌは完熟したサヴァニャンから造られる白ワインを最低6年間樽熟成し、熟成中の目減り分を補充せず、澱引きも行われません。目減り> したワインの表層に酵母の膜が出来ます。この膜が独特の風味と香りをワインに与え、極上のワインを生み出します。ヴァン・ジョーヌとこの地方のコンテ・チーズの相性は抜群です!
ヴァン・ジョーヌの他にもジュラではスパークリング、白、赤、ロゼワインが造られています。ブルゴーニュが近く、寒冷な地域な事からシャルドネ、ピノ・ノワールといった著名品種 も存在しますが、トゥルソー、プールサール、サヴァニャンといった土着品種からもジュラを代表するワインが造られます。中でもプールサールは生育条件が厳しくジュラでしか造られ ていない品種です。ジュラの地区は少なく、赤、白、ロゼが造られるアルボワやレトワール、ヴァン・ジョーヌの聖地シャトー・シャロンがA.O.C.として認められています。
自然派ワイン、原点回帰のワイン造りが流行している現在、最も熱いのはこのジュラ地方でしょう。手つかずの自然に優れた土壌、なじみの薄い土着品種に加え、ピエール・オヴェルノ ワという自然派ワインの巨匠がいた事により優れた自然派生産者が多数存在するなど魅力に溢れています。ジュラは小さなワイン産地ですが、新しい自然派生産者が発掘されるだけでな く、土壌の素晴らしさに気づいたブルゴーニュの名門、マルキ・ダンジェルヴィルが参入するなど新しい風が吹いています。またマクル、アンドレ・エ・ミレイユ・ティソ、ガヌヴァと いった一流生産者も存在しており、今後更に注目を集める産地です。
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