“ランスの山”を意味するモンターニュ・ド・ランスはシャンパーニュの主要生産地の1つでシャンパーニュ地方ひいてはフランス最北のワイン産地でシャンパーニュの中心>地であるランス市周辺に広がっています。行政上はシャンパーニュ・アルデンヌ地域圏マルヌ県に属しています。
気候は他のシャンパーニュ地方同様大西洋の影響を受ける大陸性気候に属しており、年間平均気温10度と冷涼な気候です。これはブドウが成熟する最低温度でシャンパーニ>ュの生産に不可欠な高い酸のあるブドウ造りを可能にさせています。最も北に位置しているため、豊富な日照量が必要になる地域で南向き斜面が多くありますが、フランス>では珍しく北向きの斜面を有しています。北向きは一般的に北風と日照量が乏しくフランスにおいてはワインの栽培には向いていないとされていますが、モンターニュ・ド>・ランスでは東と西に太陽の光を遮るものが無く日照量が豊富に得られるため可能になります。土壌は白亜の石灰質土壌が多く見られ、東向き、南向きの斜面が多くありま>す。
ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエが生産されていますが、一部のグラン・クリュから取れるピノ・ノワールの品質が高い事で有名です。シャンパーニュの格付け>であるエシェル・デ・クリュ制度によるグラン・クリュが9つとシャンパーニュの産地で一番多く、プルミエ・クリュも22の畑が指定されています。コート・デ・ブランが大手メゾンの上級キュヴェの地区ならばこちらはシャンパーニュの中心地であるランスの街があるため、クリュッグ、ヴーヴ・クリコ、ロデレール、テタンジェなど大手メゾ>ン本拠地の地区ともいえます。黒ブドウ品種から造られるシャンパーニュ、ブラン・ド・ノワールでは上質なものが多く造られている他、コート・デ・ブラン程有名ではな>いですが大手メゾンの上級キュヴェも造られています。
ヴェルズネイ | ヴェルズネイは北にシルリー、東にヴェルジー、西にマイイ・シャンパーニュと隣接するグラン・クリュでピノ・ノワールの聖地として知られています。冷涼な北向きの斜>面でできるピノ・ノワールからバランスとエレガンスに秀でたシャンパーニュが造られています。作付け比率はピノ・ノワール86%,シャルドネ13%、ピノ・ムニエ1%。 |
ブジー | ブジーは東をアンボネイと隣接したグラン・クリュで酸が低く味わい豊かで樽との相性の良いブドウが収穫されます。作付け比率はピノ・ノワール84%、シャルドネ16%。 |
アンボネイ | アンボネイは西をブジーと隣接したグラン・クリュで古くから良質のピノ・ノワールが取れる事で知られており、豊満で濃密、スパイシーなシャンパーニュが造られていま>す。作付け比率はピノ・ノワール89%、シャルドネ11%。 |
他のシャンパーニュ生産地と同じくコトー・ド・シャンプノワが生産されていますが、中でもピノ・ノワールで造られる赤は上質なものが多く人気があります。